Webイロハ
「よーし、俺様のサイトをオープンしちゃうぞ!」と作ってはみたものの、どこからみてもシロートまるだし。「あれ?こんなはずじゃ……」とお悩みのみなさんに、手軽にできる「脱・シロートテクニック」を大公開。
デザインも内容もテクニックも、めざせバージョンアップ!
shirokuma 白熊 吾郎   GORO SHIROKUMA
Web & 映像業界で生きる(モーション)グラフィックス屋。マスコミインハウスからフリーに。
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プランニング
「あなたも私もホームページ!」の時代はとっくに過ぎ去り、今や淘汰の時代。人気サイトとその陰で朽ちていくダメサイトはどこが違うのか? その鍵は「プラン」です。
この連載は「手っ取り早くダメサイトを何とかする」のが目的なのですが、プランニングの考え方はちょっと複雑。でも知っておいて損はないはず。「プランのあるサイト」と「プランのないサイト」の違いは大きいのです。あなたのサイトをバージョンアップするために、まずはここから。
030. サイト制作は、まずプランニングからだ!
すでにサイトを持っている人は、そのサイトを作ったときのことを思い出してみてください。何から始めましたか? 「タイトル」「デザイン」「プロフィールの文章」……でも、全体的なプランをしっかり考えてから作りはじめた人がどれだけいるでしょうか?

プロはサイトを制作するとき、まずはプランニングから始めます。プランを練って練って修正し、納得いくまで検討します。下手をすると制作期間よりプランをまとめている方が時間がかかったりします。サイトを使って何をするのか? 誰に見てほしいのか? 何をどんな風に載せるのか? デザインに凝る前に、まずはどんなサイトにしたいのか、具体的な設計図が必要です。

サイトを作るにはデザイン力だけじゃダメ。監督の要素も、演出家の要素も、作家の要素も……ひとり何役もこなすパワーが求められます。逆に言えばそれができる人のサイトは、おもしろいということ。
 「でも、いきなりそんな能力は無理だよ……」ならば考え方をひとつひとつ理解していきましょう。
031. 常に来訪者の存在を認識せよ!
いろんなサイトを見ていると、「ここは面白い」「楽しい」「役立つ!」とブックマークしてしまうサイトがある反面、「なんだこりゃ?」「時間の無駄だった」「もう来ねぇよ!」と腹立たしくなるサイトも数多いですね。せっかくサイトを作るなら、ぜひいろんな人に見てもらって、かつ何度も来てほしいもの。
いいサイトとダメなサイトはどこが違うのか……それは、プラン・構成・デザイン・演出などが「来訪者のことを考えているかどうか」です。内容がつまらない・わからない、読みづらい、迷ってしまう……といった自己中心的なサイトはもう二度と見たくないですよね?

サイトを見にくる人は、時間とおカネ(接続料金)をかけて、わざわざアクセスしてくれているわけです。その「わざわざ」来てくれた人に対して、楽しませよう、見やすくしよう……といった心遣いができているかどうかに、あなたのサイトの盛衰がかかっています。どうしても自己満足になりがちな個人サイトだからこそ、この考え方の有無は大きいのです。
032. プランニングの4ポイントをおさえろ!
いくら自分の写真が満載の「ザ・俺様サイト」であっても、事前に決めるべきプランを固めておかないと制作が進みません。「サイトプラン」なんて言うと大げさですが、具体的には考えるのはこの4つのポイントだけです。

 ・「なぜ」
 ・「何」を
 ・「誰」に対し
 ・「どのように」載せるのか

逆にこれだけをしっかり決めておけば、企画も構成もデザインも運営管理もしやすくなるというわけです。
033. 「なぜ」:目的こそがベクトルを決める!
素人サイトとプロが作ったサイトの決定的な違い。それは「サイトを使ってどんな結果を生み出したいのか?」という目的の有無です。「来訪者にどんなレスポンス/リアクションを望むのか?」とも言えます。

個人サイトは「とりあずサイトをオープンする」「名刺代わりに作る」など、作っておしまい!という目的がほとんど。一方、企業などが作るサイトでは「会社の知名度向上」「商品情報提供で購買意欲向上」「物品購入の見積提供」といった、「サイト」を使って何がしたいのかを具体的に考えています。

個人サイトにも目的はあるはず。「俺の作品に対する批評がほしい」「同じ趣味のやつと情報交換したい」「俺様のファンクラブの会員募集」などなど。他のメディアではなく、わざわざ「サイト」というものを使う以上、それから得たい結果を思い描けばいいのです。

目的があれば、そこから逆算して何をどう作ればいいのかが見えてきます。これがあなたのサイトプランを、より明確にするためのコツなのです。
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