DTPチップス
ひとくちにDTPと言っても、そのジャンルは多岐に渡り、また人それぞれ製作方法も違います。ここでは一般的によく使われているIllustrator、Photoshop、QuarkXPressの基本的な使い方から実践的な事まで幅広く紹介していきますが、これはあくまでも1つの方法として、プラスアルファーの知識として役立てていただければと思います。
fukuma 福間 優子   YUKO FUKUMA
バンタンキャリアスクール グラフィックデザイナー科卒業。
青山にある某デザイン事務所に勤務し、ファッション誌・情報誌・広告など多岐に渡り担当し、退職後独立。
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■素材の組み合わせによって生み出すグラフィック(その1)
■素材の組み合わせによって生み出すグラフィック(その2)
■名刺をつくる(その1/デザインする前に)
 フリーで仕事をするようになって、一番始めに作るのが自分の名刺だったりしませんか。名刺は始めて会う人に、自分の職業や連絡先を的確に伝える自己紹介カードのような物です。デザイナーという肩書きでありながら、時間がないからといっていつまでもスピード名刺などの既存フォーマットを利用していては悲しいものがあります。そしてまた、この仕事に携わっていると知合いから「簡単でいいから名刺作ってよ」と頼まれる事も多いのではないでしょうか。
 そこで今回は初めての方でも分かるように、名刺作りのノウハウを4回に渡り細かく紹介していきたいと思います。
1.仕上がりサイズ
 名刺サイズは(91mm×55mm)がもっとも一般的で、市販で売られている名刺入れなどもこのサイズに合わせて作られている事が多い。しかしこの仕上がりサイズは名刺の規定サイズではないので、自分で作る時はサイズから考えてみても良いだろう。いきなり考えるのは難しいという人は、基本となるサイズから天地や左右を少しカットしただけでも、仕上がりの印象がずいぶん変わってくる。わざわざ変わった形にする必要はないが、クライアントの性別、職業、雰囲気に合うような名刺を作る事を心掛けよう。

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このように横向きの名刺の、左右幅は変えず天地だけを短くすると、
シャープな印象になる。

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逆に縦向きの名刺の、天地幅は変えず左右だけ短くすると、
かわいらしく、やさしい印象になる。

2. 書体
 この書体の選定もまた、名刺のイメージを左右する。上品、活発、ポップ、やわらかい、シャープ、などクライアントがどんなイメージの名刺にしたいかによって選ぶ書体が変わってくる。さらに性別や職業なども考慮して最終的に書体を決めていく。ここにいくつか違う書体を並べたので、印象の違いをみてみよう。

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 書体から受けるイメージは人によって異なると思うが、ゴシック系では書体だけみると太いものは力強く男性的で、細くなると繊細な女性的な印象がする。また角が丸くなるとポップだか、やや幼稚な感じもする。
 明朝系は全体に上品な感じがするが、毛質の質感がより出ているものは使い方によっては古い伝統的なイメージになる。