DTPチップス
ひとくちにDTPと言っても、そのジャンルは多岐に渡り、また人それぞれ製作方法も違います。ここでは一般的によく使われているIllustrator、Photoshop、QuarkXPressの基本的な使い方から実践的な事まで幅広く紹介していきますが、これはあくまでも1つの方法として、プラスアルファーの知識として役立てていただければと思います。
fukuma 福間 優子   YUKO FUKUMA
バンタンキャリアスクール グラフィックデザイナー科卒業。
青山にある某デザイン事務所に勤務し、ファッション誌・情報誌・広告など多岐に渡り担当し、退職後独立。
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■名刺をつくる(その3/レイアウト 基本編)
■名刺をつくる(その4/レイアウト 応用編)
■余白を生かしたレイアウト(その1/本文フォーマットを作る)

 「紙面のイメージは余白の取り方で決まる」と言っても大袈裟じゃないくらい、この余白というのは紙面を構成する上でとても重要になるのではないかと思います。同じ情報量でも余白を多くとったレイアウトは上品なイメージになり、逆に余白が少ないと盛り沢山でにぎやかなイメージになってきます。そしてこれら目的にあっていないと意味がありません。

 ちょっと余談になりますが、ファミレスやチェーン店の居酒屋のメニューなどはレイアウトが美しいかは別にして、よく出来ているなと感心してしまいます。メニューが沢山あり過ぎて、どれにするか迷ってしまう。願わくば全部ください!と言いたくなる、これもきっとそういうお客の心理を狙って作られているのだろうと思います。
 またスーパーの特売のちらしにしても、なんだか全部が安いように感じてしまう。もしこれが余白を生かして整然と商品が並べられていたら、なんだか品物が少ないように見えて、特売感が伝わらないのではないかと思います。逆に高級なブランド店の広告が紙面いっぱい所せましと商品が並べてあったら、せっかくの品物が安っぽく見えてしまう。。。
 このように余白は全体のイメージを大きく左右するものなので、その都度よく目的を考慮してレイアウトしていかなければなりません。

 私個人の意見としては、この情報をいっぱいいっぱいに見せるというのは、ある程度経験を積めば誰でも出来るようになる(個人差はありますが)と思うのですが、余白を美しくとるというのは非常に難しくまた高度なレイアウトだと思います。これは私の永遠の課題でもあるのですが、今回はある外資系の会社案内パンフレットで「余白を生かしたレイアウト」をコンセプトに製作し、好評だった物を紹介したいと思います。私もまだまだ勉強中ではありますが、何かの参考になればと思います。

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 実際のパンフレットは表まわりいれて12Pの物だが、その中からこの3見開き分を紹介する。
今回はまず基本となる本文のフォーマットを作きましょう。

会社名 日本トウキョウ株式会社(仮)
サイズ A4縦(210mm×297mm)/4C/中綴じ
*レイアウト、色などは実際の物と多少異なります。

1.書式設定

 クォークで「ファイル→新規→ドキュメント」で仕上がりサイズ「A4」にチェックをし、マージン設定を行う。

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ページものの場合は見開きに必ずチェックをする

2. 基本となる本文組みをつくる
 今回のようにページ数の少ないものでも、基本となる本文組みぐらいは予め作っておいた方が良いと思う。基本とするものが何もない状態で製作してしまうと、よっほど慣れている人でない限り、全体の統一感に欠けた物になってしまうからだ。 だからといって全てフォーマット通りにもいかないので、基本をふまえた上で、内容やページネーションによって変化をつけていくと良いと思う。
 クォークで作業する場合、フォーマットとしてくり返し使用する物はマスターページに登録しておくととても便利だ。例えば本文組みを登録したものをマスターページ「A」、何もないものをマスターページ「B」というようにそれぞれ使いわける事ができる。。