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画像補正 title画像補正 title

5)色の補正
 明るさが直ったら次は色です。
 色は人によって感じ方や思考が様々なので、好きな色合いにしちゃってください。
 イメージ>色調補正>カラーバランス を選び、作業画面を見ながらプレビューして調整していきます。

 まず「階調のバランス」で変更したい明るさを選びます。つぎに補正したいバランスを左右に振っていきます。
 コツその1。バランスを振るときにちょっとずついじっても分かりづらいので、まずはグワッと大きくつまみを動かして「シアンに振るとこういう感じか、レッドに振るとこうなるのか」とバランス調整後のイメージをつかむとやりやすいです。
 コツその2。「つまみをどっちに振ってもいい色にならない」ときは、勇気を持ってそのバランスはさわらない、ってこと。項目があるとどうしてもいじりたくなっちゃうのですが、そこはグッと我慢しておきましょう。

 感覚的にはハイライト>中間調>シャドウ の順で調整した方が合わせやすいかな、と思います。

 ただ、この作業はずっとやっていると混乱してくるので、始める前に「この部分を優先して色を補正する!」というスタンスを持っておくといいです。人物スナップだったら「ぷりっぷりの肌」、風景だったら「風が吹き抜けるような空」、高級料理だったら「野菜をおいしそうに」などなど、補正のキーポイントを常に注目して調整すると短時間でいい補正ができるようになります。

 なお、色が濃すぎる、薄すぎるという場合は、イメージ>色調補正>色相・彩度... で彩度(鮮やかさ・色の濃さ)を調整しましょう。

 これでひととおり補正が完了しました。ここまでくると、元画像と比べると格段に補正されているはずです。試しに今作業中のレイヤーを非表示にして元画像を見てみると……うわっ!元画像がとってもダメな画に見えるはずです。うーんPhotoshopってすごい。

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05▲カラーバランス。やりすぎ注意。
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▲完成。上が補正前、下が補正後。カラーバランスを整えると、人物は健康的に、風景はビビッドに、料理はシズル感があふれ……といいことだらけ。

6)フィルタ
 さて、ここからはオプションなんですが、フィルタを使って画像を補正していきます。フィルタは万能ではないのですが、上手く使えば画像をよりグレードアップしてくれる強い味方です。
    
・ピントが合っていない
 えーと、大前提としまして、どんなにPhotoshopでがんばっても、ピンぼけの写真は直りません。なんとなくシャープになったかな?程度の補正なので過度の期待はしないように。

 フィルタ>シャープ>アンシャープマスク... を選びます。量、半径、しきい値を調整してボケをカバーしていきます。「小さい半径で量を多めに」するのが自然に仕上げるコツ

 これだ!という設定が出来たら、プレビューをON/OFFして作業画面と見比べてみましょう。過剰にアンシャープマスクをかけるとギラギラ感が出てしまいますから注意。

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06▲アンシャープマスクの設定画面。かけすぎは禁物。

・主役以外が目立ちすぎ
 ちょっと強引ですが、主役以外をぼかして存在を薄くしちゃいましょう。ちょっと専門的ですが、オートで撮るとデジカメは被写界深度が深い(フォーカスが広い範囲で合う)ため、遠くにあるはずのものがはっきり写ってしまうことがあります。
 プロのカメラマンが撮るポートレートは、フォーカスが合う範囲をギリギリまで絞って主役以外はぼかしています。それを後から出来ちゃうのがPhotoshopのいいところ。

     
1)主役を選択する
 自動選択ツールやマグネット自動選択ツール、なげなわツールなどを使って主役を選択します。ん!選択します、と書くのは簡単ですが実際はこれが難しい……。

 今回はマグネット自動選択ツールとクイックマスクモードを併用しました。
 マグネット自動選択ツールは選択範囲を作るときに、その名の通りPhotoshopが境界を認識してまるで磁石がくっつくかのように境目でスナップしてくれる選択ツール。適当にドラッグしても、ある程度明暗や色が違う画像なら境界を作ってくれます。
 クイックマスクはブラシや鉛筆ツールで塗った部分を選択範囲にできる便利なツール。描画透明度にも対応しているので、ブラシツールと消しゴムツールでシコシコ塗りつぶして選択範囲が「描け」ます。

 今回はマグネット自動選択ツールである程度の範囲を囲み、自動認識できなかった部分はクイックマスクモードで修正しました。     

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07▲元画像(補正前)。背景がはっきり写っているので「うるさい」画だ。
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08▲マグネット自動選択ツール使用後。まだ大ざっぱだ。 09▲(左)これがクイックマスクモード。塗ったところが選択範囲になる。塗り終わったら、隣のボタンをクリックすれば通常の画像描画モードに戻る。 10(右)▲クイックマスクモード(この画像では分かりやすいように背景側を塗っていますが、実際は主役である人物を塗ったほうが分かりやすいです)。

2)選択範囲の調整
 画像描画モードに戻り、選択範囲>選択範囲の反転 を実行。背景側が選ばれればOK。
 でもこのままこの選択範囲を使うと境界がはっきりしてしまうので 選択範囲>境界をぼかす... を1ピクセル適用して境目をぼかします。こういう小技があとで効きます。

3)ぼかし実行
 フィルタ>ぼかし>ぼかし(ガウス)... を実行。プレビュー見ながらお好みでぼかします。構図によってはかけすぎるとかえっておかしくなるので、ほどほどに。

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11▲背景側を選択した状態。画面上では表示されないが、選択範囲の境界が1ピクセルぼけている。 ▲元画像(左)と補正+ぼかし後(右)。ぼけた感じが上手く出てるでしょ?      

 以上でデジカメの補正はおしまい。トリミング、明るさ、色の3つを調整するだけで、レベルアップした画像になりました。フィルタはあくまでおまけなので、「フィルタでアート!」でなければ控えめに使ってください。
 補正をかけると画面上ではもちろん、印刷したときもきれいなので、ホームDPE好きな方はぜひチャレンジしてみてください。

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