vjの映像
映画やプロモーションビデオ、番組のオープニングなど、日常目にするプロの映像。そんな目を見張る映像を自分でも作ってみたいな、と思ったら早速家のPCでやってみよう。
そこで作った映像は、インターネット、クラブ、巨大街頭ビジョン、家のビデオなど流すメディアに欠くことはなく、未来は広がるばかりだろう。そしてたまにはネタにつまって、行き詰まったりもするだろう。そんな時には散歩に行くか、ここを読もう。
mook1 MOOK1
CycloneやVision Questといった巨大クラブイベントやCartier, NIKE, SonyなどのショウでもプレイするプロのVJ。Chilled LoungeといったコアなパーティではDrum'n'BassのDJも努める。
著書「Make It Move!」

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■DVDから その2 水滴とビート

■DVDから その3 ネオンカラー

 -- まえがき --
 人間は生き物の中で一番頭が悪いのでは、と思うことがある。我々が出す工業汚水や生活汚水は使用した場所ではなく下水道を通って海に出るが、それは別に海が分解している訳ではなく「ここじゃないどこか」に捨てているだけである。そして身を守るためや食料を獲るために作った武器はいまや発達しすぎて地球をぶっこわしてもお釣りがくるくらいになった。全て大人、しかも先進国の頭の良いとされる人たちのやっていることである。

 我々は自分達がコントロールできる以上の器用さを持ってしまった生き物なだけであり、それによって自己防衛の本能からあまり深く考えずに地球を破壊しまくっているのだろう。よく一笑に賦される話でイルカが人間より実は頭がいいという説があるが、実際イルカのみならず、犬や猫も含め地球を破壊しているのは唯一人間だけである。しかしそういったところで、器用で臆病な我々はその動きを止めないだろうし、スピードも加速するだけだろうから、せめてその時がくるまで、あまり考えるのをもうやめて純粋に大きなフロアで感情を楽しむのもいいかも知れない。

■ DVDから その4 エッジのある映像
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※画像をクリックすると、ムービーが再生されます。

以前デザインプレックスという雑誌で連載していた。その時の原稿をまとめた本「Make It Move!」が出た話は毎回ちょっとずつしているが、2月に青山ブックセンターのPCブックランキングで初登場6位になったので、「ワオ、次はどーなるの?」と思っていたら次は圏外になった。瞬間風速だったのか、と思っていた矢先、4月にまた3位に返り咲いた。

そして今度早ければ7月下旬にはそれのDVD版が出る。これは本付録のCDに付いている素材のフルサイズバージョンと新しい作品2つが入ったDVDブック形式のもの。このDVDブックと言う形式がぱっと見ると普通の本のようで、事実初めに本の部分があるのだが、最期にDVDがついているという、多分これからのDVDのスタンダードになると思うので、興味のある人はお近くの書店かCD屋さんで。

遠くアメリカではとうとうDVDレンタルがビデオレンタルの数を抜いたそうな。今回4週に渡ってそのDVDに入れた作品から部分を抜粋してメーキングをやっていこう。今回はラストの第4弾。

エッジのある映像

1.素材の輪郭をとる

 今回は二つの実写画像を使って粗い感じのする映像を作ってみる。
 はじめに用意する素材は、首都高を20分ほどかけて一周したのを撮影してから、100倍程度の速さにしたもの。同じ素材でなくても何かスピード感があるものであればいいだろう。これにエフェクトの「輪郭検出」をかけて、エッジの部分のみ強調されるようにする。色や明るさによってはコントラストなどで調整する必要もあるだろう。

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これが

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これで

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こうなる

2.背景素材の輪郭も検出する

 次に背景となる素材も同じようなステップを踏ませる。
 ここで用意したのはビル郡と空の境目となる、いわゆるスカイラインがはっきりとわかる映像だ。こんどは輪郭検出をかける際に「反転」のボックスにチェックを入れてみよう。そうすると素材の明るい部分と暗い部分が逆転するのがわかるだろう。

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これは

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これで

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こうなる。素材は背景にしやすい遠景のものであれば、他のものでもよい

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