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DTP by Yuko Fukuma
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This week's point.

 人は「ないものねだり」の傾向が強いように思います。コンピューターが普及し、私達が普段使っているソフトでは数値さえいれれば正確に正方形や円を書く事ができます。
  しかし、このあまりに正確すぎるものに見なれてしまうと、上手くは言えませんがアナログへのあこがれみたいな物がふつふつと湧いてます。まっすぐの線がちょっと曲がっていたり、円が少し歪んでいたり、グリッドで配置されている物が少しづつずれていたり、そんな物を見かけると、なぜかそこに新鮮さを感じてしまったり。せっかく便利になったのに便利になりすぎると今度はコンピューターを使っているのに、手作業の感覚を出したくなってくる。まさに「ないものねだり」の心理のような気がします。
  また最近タイトルなどの文字を手書きにしているものもよく見かけます。これも手作業の曖昧さというか、やわらかさがでていて紙面全体のイメージを大きく左右する重要なポイントになっているのではないかと思います。

 そこで今回は「Jazz and Talk」というイベントで使用したA5サイズのちらしを使い、ほんの少しだけアナログ感を取り入れたものをやっていきたいと思います。(実際のものと色、レイアウト等異なります。)

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 その1で全体のレイアウトができたので、その2、3ではタイトルの文字のつくり方を詳しくやります。
 このちらしでは、タイトルに少し「味」を出したいので、PCで打った書体をそのまま出すとエッジが強くて綺麗になり過ぎてしまうので、ほんの少し手を加えてこの「味」を出していきたいと思います。実はこのやりかたをつい最近偶然知ったのですが、それまでは使用する文字を一度出力して、それをコピー機に何度も通して荒らしてから、またそれをスキャンして切り抜いていたりしました。これは本当に良い感じで文字が荒れるのですが、時間がない時などは今回やるやりかたを試して見て下さい。


1)タイトルの欧文書体を選ぶ

 前回レイアウト作業が終わっているが、分かりやすいので書体選びから説明する。イベント名である「Jazz and Talk」という文字を全体のバランスを見ながら大きさを配置する。書体は「Blur Medium 80Q、文字色=白」とする。この書体はもともとまるみを帯びていて、このままでも十分味があるが、ここに手を加えていく。

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▲文字間はここで調整しておこう。今回はあえてバラバラの文字間にしても良い感じに仕上がるかもしれない。

 

2)文字をアウトライン化する

 次に文字を選択し、「文字→アウトラインの作成」で文字をアウトライン化させる。

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▲このようにアウトライン化できた。

 

3)文字にアンカーポイントを追加する

 アウトライン化された文字を全て選択し、「オブジェクト→パス→アンカーポントの追加」でアンカーポイントを増やしていく。これを何度かくり返すと、かなり細かくアンカーポイントができる。

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▲これが1度この作業をした状態。
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▲何度もくり返すと、ここまで増やす事がきる。

 

4)文字を変形させていく

 アンカーポイントが細かくできたら、フィルタ機能を使い文字の輪郭を微妙に変形させていく。1つ文字を選択し、「フィルタ→パスの変形→ラフ」を行う。プレビューをチェックして確認しながら「サイズ・詳細」を調整して好みの感じに仕上げる。

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▲ここではあくまでもアナログ感をだしたいので、微妙に分かるか分からない程度、変形すればよい。あまりやりすぎてしまうと、かえって逆効果になってしまうので、プレビューで必ず確認しながらやろう。

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▲左がもとの状態、右がフィルタをかけたもの。これは拡大しているので変化がよく分かるが、実寸では微妙にエッジが甘くなっているくらいにみえる。

 

 次回はタイトル部分の続きをやってきます。

 

writer:Yuko Fukuma
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